先月の上旬に、当店の仕事熱心な若手スタッフのAさんが日本 和裁士会東京支
部・東京和服裁縫協同組合の主催で行われた「洋裁の知識を和裁に生かそう」と
いう講習会に行かれました。
和裁での洋裁技術というのは元々、男物コートの吾妻コート(あずまこーと)などで
は、衿やボタンホールや吊りポケットなどに洋裁の技術が応用されていますが、今
回は、文化服装学院ファッション工科をご卒業された宮本美穂先生による講義で、
大変お勉強になったようです。
その講習会で、助手を務めておられた日本和裁士会東京支部の平山留美先生
から少し変わった和裁道具を拝借することができました。
右写真の和裁コテなのですが、微妙に左カーブした形状で右 利きの私にとっては、
経験したことの無い、何とも面白い感触の使い心地でした・・・名前は「吹きコテ」と
いうそうです。
吹きコテの先端に神経が集中するようで、メリットはベタベタとコテを当てずに済む
のと、耳伸ばしの時に力が入り易いということ。
それと、柄とコテの接続部分が大変強固な造りになっており丈夫そうということでした。
デメリットはコテの金属部分が通常のコテに比べると肉厚が薄いため、蓄熱時間が
若干短いかな?と思われます。
とにかく、このお道具をお貸し下さった平山留美先生に感謝感謝です。
「吹きコテ」の曲がりで思い出したのですが、私が内弟子修行をしていた頃・・・約35
年ほど前に、コート・羽織・道中着の前落とし部分の衿肩周りのカーブを切る為に・・・
と言って右写真のような裁ちハサミを発注したのを思い出しました。
平山留美先生は「着物仕立ひらやま」というホームページを 作って、多方面にご活躍
されておられます。
私の時々、このホームページやブログを拝見させていただき勉強をさせていただいて
おります。 ↓
http://www.hirayama-sitateya.com/index.html