大阪府守口市 K.K 様 七五三/お宮詣り祝着にお直し

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七五三でお召しになられた子供用着物を、「お宮詣りの祝着にお直ししてください。」というご依頼です。
お直しの内容は、袂袖(たもとそで)を大名袖に仕立て替えて、肩揚げと身揚げをほどいて、紐を共布の紐にして付ける位置を変えます。
最近では、お宮参りの際に祝着のみを羽織るだけの簡素化したスタイルが主流になりつつあります。

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この紐飾りは、「輪鼓(りゅうご)」と言います。
平安時代に中国から伝わった木を鼓の形に削った独楽(コマ)の玩具をモチーフにしたものです。

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昔から、魔物は背中から忍び寄ると言います。
幼子の魂を守るため、母親達が着物の背中に縫い取った小さな魔除けのしるし・・・それが「背守り」です。
「背守り」や「紐飾り」の縫い目が魔物を睨む・・・という風習の向こうに先祖達の生きる哲学が見えてきます。
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これは知人が持っている昔の紐飾りの見本帳をコピーしてもらったモノです。
紙のページに糸で刺繍しているのですが、表紙には「明治辛未(かのとひつじ)」と書いてあります。
辛未(かのとひつじ)とは、干支の一つで西暦1871年(明治4年)らしいです・・・今が2015年ですから、何んと!144年も前の見本帳ということになります。

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七五三ではたもと袖ですが、お宮詣りの祝着では大名袖にします・・・何故?大名袖なのでしょうか?
一説には、子供は魂が落ち着かず、ひとたび出た魂が再び入る時に入り易くするために袖口を広く明けておくという俗信があります。

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