今年のお仕立ては縁起の良い「松文様」からスタートです。
濃鼠(こいねず)色に白い松、黒い枝という大胆且つ、シックな色使いに、日本画のようなタッチの松文様が染められた、人間国宝小宮康孝先生の江戸小紋です。
「江戸小紋」という名称が使われるようになったのは約60年前のこと。
小宮康孝先生が、その技法の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された時に、他の小紋染めと、区別するために、江戸小紋という言葉が生まれました・・・これは意外と知られていない事実です。
紋を入れれば、準礼装としても着用できますので、広く活用できる着物でもあります。
濃鼠色の鮫小紋は非常に上品な印象で、江戸小紋ならではの繊細な魅力に溢れています。