京都市山科区 T.M 様 訪問着/お仕立て

今回のご依頼は、落ち着いたベージュ色に雪の結晶の形から生まれた文様の「雪輪」をモチーフにした訪問着のお仕立てです。
不思議なことに・・・顕微鏡のない時代から雪の結晶は「六花 (りっか) 」と言われていました。
しかも、まだ雪の結晶が観察されていない平安時代には既に雪輪文様の作例が見られ、昔の人々の直感力に驚かされます。

DSC_2728

時々、お客様から「雪輪模様の着用できる季節はいつですか?」というご質問をいただくことがございます。
私は、「雪=冬という概念に捕らわれずに、年中お召しになられても構わないのでは?」とお答えいたします。

DSC_2860

例えば、夏の絽の小紋や訪問着、ゆかたに雪輪の柄はよく見かけます・・・夏に着れないとするとそれらの着物は何の為にあるのでしょうか?
夏のきもの、ゆかたに雪輪が多用されるのは涼しさの演出ともとれます。
「波に千鳥」の柄も夏のきもの、ゆかたに用いられます・・・しかし、千鳥の季節は冬です。

DSC_2865

つまり、製作者の意図によって雪輪の模様は冬に使われたり、夏に使われたりするのです。
日本のきものの決まりはそれほど簡単ではなく、単純な規則で表せないところに日本人の感性が感じられます。

DSC_2863

DSC_2862

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です